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by pla-shizu

タウンミーティング in Fuji 「どうする!? 1%市民活動支援制度」

 こんにちは。珍しくブログを連続更新中の荻野です。

 20日に開催したタウンミーティングには、約20人の方が参加してくださいました。
 暮れのお忙しい時期にお付き合いくださり、ありがとうございます。
タウンミーティング in Fuji 「どうする!? 1%市民活動支援制度」_c0215817_1034533.jpg

 今回のタウンミーティングは、富士市で1%市民活動支援制度を導入することの賛否について議論したわけですが、いくつかの論点ごとに、非常に明快な主張を出していただくことができて、コーディネーター役の私自身、たいへん勉強になりました。
 今後の、懇話会や協議会などでの議論に、ぜひ今回の結果をいかせるよう、提言していきたいと考えております。

 以下、各々の論点ごとにどんな議論がされたか、簡単にご紹介していきましょう。

【富士市の市民税1%相当額(1億5000万円)を市民活動補助に充てることの是非について】

 ・賛成
  富士市はまだまだ財政力のある自治体である。
  職員のボーナスの総額などと比較すれば決して不可能な数字ではない。
  新たな公益の担い手を育成するという効果を考えれば、投資すべき金額である。
  市民による投票によって額を決定するシステムであれば、その支出額は市民の同意を得た支出となるわけだから、理解を得られるのではないか。

 ・反対
  *今回は、市民活動関係者中心の会議ということもあってか、明確な反対論は無かったです。

【それぞれの団体に対する補助額を、市民による投票で決めることの是非について】

 ・賛成
  審査員や行政の担当課が決めるよりも、透明度が高まるのではないか。
  市民みずからが事業仕分け人となって、必要な活動に補助金を振り向けることができるのではないか。
  税金の使い道や、市民活動に対する市民の意識・感心が高まるのではないか。

 ・反対
  活動の性質によっては、公益性が高くても得票が難しい団体もある。その反面、趣味サークルなどの受益者が限定される団体は支持を集めやすい。それではアンフェアではないか。
  補助金をもらうための受け狙いの事業ばかりが乱造されることにはならないか。
  投票制度の導入は、事務経費がかかりすぎるのではないか。

 ・賛成の立場からの再反論
  公共性が、行政の視点からは認められにくい事業であっても、逆に意識の高い市民からは認められるという可能性もあるのではないか
  例えアンフェアな結果になったとしても、それが富士市民の選択、それが富士市民の民度の問題であると考えて、まずは受け止めるべきとも言えるのではないか。
  得票が難しいが公益性の高い事業については、委託事業や政策的補助金など別の制度でカバーすればよいのではないか。

 ・反対の立場からの再々反論
  市民みずからが選ぶという理念的なメリットがあるとしても、福祉などの継続的な活動が必要な分野については、投票に委ねてしまうリスクを受け入れることはやはり難しい。少数派の声が届かない危険性は高いのではないか。

【仮に1%市民活動支援制度を導入した場合、現行のような補助金制度をどうするのか?】

・1%制度一本化
 事業評価を市民自らが行うことのメリット(選考過程の透明性の確保、補助対象団体の説明責任の明確化、市民自らの評価による事業仕分け的効果など)を考えれは、一本化が望ましいと考える。しかし、現行制度を使っている団体さんの事情を考えると並列もありか……

・1%制度と現行制度の並列
 特定の事業に限定した補助金は現行の制度のように担当課が選び、団体活動そのものに対する補助金を1%制度で実施すればよいのではないか。市民が投票で選ぶ制度であれば、特定事業に使途を限定した補助でなくても、理解は得られるのではないか。
 現行のような制度でまずは事業費の50%までの補助を決定し、その後市民による投票で残額の上積みを行えるようにしてはどうか。


他にも、補助金のあり方そのものについての議論も行われました。

【補助の対象となる支出はどういったものが適当か】
  特定事業にかかる直接実費だけに限定された補助では、事業が成り立たない。間接費にも使える柔軟性が必要ではないか。
  団体の構成員の人件費が出せるような制度が望ましい。
  税金の性質から考えて、特定の公益事業に対する補助は認められても、独立した民間団体の団体活動そのものに補助するというのは、間違っているのではないか。
  公益サービスを提供するためには、特定の事業だけに限定されない活動が必要だ。研修を受けたり、臨機応変に関連分野の相談に応じたり、そういった企画書に網羅的には書ききれない団体活動全般に使える資金が出せるような補助金こそが望まれているのではないか。


 ざっとご紹介するだけでも、このような実に濃密な議論が3時間にわたって続けられたわけです。

 最後にはなりましたが、今回のタウンミーティングの開催にあたりまして、全面的に協力して下さった富士市民活動センターの皆さん(特に3時間休憩もなしで書記を務めてくださったアスミンさん)、本当にありがとうございました。
 皆さんの献身的な協力がなければ、今回のタウンミーティングは絶対に成り立ちませんでした。改めて御礼を申し上げます。m(_ _)m


参加者の声
市議会議員の小池としあきさん
「東海道吉原宿」の佐野荘一さん
「ゆめ・まち・ねっと」の渡部さん(たっちゃん)
「鈴川倶楽部」の竹村さん
by pla-shizu | 2009-12-21 09:59 | 活動報告