静岡県東部地域多文化共生事情
2010年 01月 15日
こんにちは、荻野です。
最低気温が氷点下の寒い日が続きますが、皆さん、お元気でしょうか?
さて、14日は、カリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)の山中啓子先生が、静岡県東部の多文化共生事情を調査するということで、そのご案内をしてきました。
最初に訪れたのは、静岡県東部(というよりも大井川以東)では唯一のブラジル人学校「エスコーラ・フジ」。
【在日ブラジル人学校(ブラジル教育省認可)】
1年生から9年生までの授業を視察してから、神尾理事長とも懇談させて頂きました。
神尾さんがブラジル人学校の主宰者となった経緯は、知る人ぞ知る伝説となっております。
神尾さんは、当初、貸しビル業者として、ブラジル人学校に不動産を賃貸していました。
ところが、ブラジル人経営者が、生徒が集まらないことを理由に閉校したいと言い出します。
生徒の保護者たちは困り果て、「何とか学校を存続させて欲しい」と神尾さんに相談します。
子どもたちの状況を見た神尾さんは、「日本人であろうとブラジル人であろうと、子どもたちの教育に責任を持つべきは大人・社会である」と、ブラジル人学校を自らで続けることを決心。
その数年後からは、口コミで評判が広がり、生徒が急増。静岡県東部唯一のブラジル人学校ということもあり、富士・富士宮地域だけでなく、御殿場・清水などからも生徒たちが集まり、ついには各種学校となって今日に至っています。
続いて、訪れたのは、富士市国際交流ラウンジFILS。
ここでは、多くのボランティアさんたちが、日本語クラスを開講しています。
まずは、富士にほんごの会の冨田貴子代表にお話をうかがいました。
話の中心は、ブラジル人・ペルー人たちの失業問題についてです。
リーマンショック以降、輸出産業の業績が軒並み落ち込む中、製紙など内需産業中心の富士市に、浜松・磐田・掛川などから、ブラジル人たちが移り住んできました。
しかし、富士市でも多くの工場で生産調整が行われています。工場のラインでフルタイムで稼いできた男性労働者たちが、真っ先に解雇の対象になりました。夜勤や残業の必要がなくなり、パートタイム中心の雇用に工場側が切り替え始めたからです。
それとは逆に、弁当工場のパートタイムなど女性の雇用は比較的安定しており、失業する夫・外で稼ぐ妻という構図が、顕著になってきたようです。
冨田先生のお話を一時間ほどうかがってから、今度は、市議会議員の横井美由紀さん、山下いづみさんのお二人を交えて、富士市の多文化共生政策についてお話をうかがいました。
富士市の場合、全住民に占める外国籍住民の割合は2%に過ぎません。そのため市の施策として、外国人問題の優先順位がどうしても後にされてしまうという問題が、横井議員から指摘されました。
26万都市の2%ですから、絶対数としては無視できないものがあります。また、同じ外国人といっても、ブラジル人を始めとするいわゆる「ニューカマー」の比率が高いのが工業都市富士市の特徴です。日本語のネイティブスピーカーではない人々、特に子どもたちの教育の問題が重要になってくるということで、出席者の意見は一致しました。
続いて訪れたのは、沼津駅前にある東部県民生活センターのビル。
現在、就業支援に取り組む1階の求職者総合支援センターと2階のヤングジョブステーションの窓口には、ポルトガル語のできる職員さんが配置されています。
そして3階の東部パレットで開催されている「静岡県・就業促進出張日本語教室」にご案内をしました。
静岡県多文化共生室が、厳しい雇用情勢に対処すべく始めたこのプログラム。
沼津の教室では、日本人の講師とペルー人のアシスタントらが、就業のための実践的な日本語のトレーニングを行っています。
沼津には、原団地を中心にペルー人の比較的大きなコミュニティが形成されています。そのためこの教室の受講者もほとんどがペルーの方でした。
教室を視察後、再び富士市に戻り、今度は吉原商店街の状況を視察。
シャッター通りで元気に営業する外国系商店を見て回ってから、ブラジル料理を出してくれる「インターナショナルハウス」【吉原ランチマップ】でブラジル風ハンバーガーを堪能しました。
最低気温が氷点下の寒い日が続きますが、皆さん、お元気でしょうか?
さて、14日は、カリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)の山中啓子先生が、静岡県東部の多文化共生事情を調査するということで、そのご案内をしてきました。
最初に訪れたのは、静岡県東部(というよりも大井川以東)では唯一のブラジル人学校「エスコーラ・フジ」。
【在日ブラジル人学校(ブラジル教育省認可)】
1年生から9年生までの授業を視察してから、神尾理事長とも懇談させて頂きました。
神尾さんがブラジル人学校の主宰者となった経緯は、知る人ぞ知る伝説となっております。
神尾さんは、当初、貸しビル業者として、ブラジル人学校に不動産を賃貸していました。
ところが、ブラジル人経営者が、生徒が集まらないことを理由に閉校したいと言い出します。
生徒の保護者たちは困り果て、「何とか学校を存続させて欲しい」と神尾さんに相談します。
子どもたちの状況を見た神尾さんは、「日本人であろうとブラジル人であろうと、子どもたちの教育に責任を持つべきは大人・社会である」と、ブラジル人学校を自らで続けることを決心。
その数年後からは、口コミで評判が広がり、生徒が急増。静岡県東部唯一のブラジル人学校ということもあり、富士・富士宮地域だけでなく、御殿場・清水などからも生徒たちが集まり、ついには各種学校となって今日に至っています。
続いて、訪れたのは、富士市国際交流ラウンジFILS。
ここでは、多くのボランティアさんたちが、日本語クラスを開講しています。
まずは、富士にほんごの会の冨田貴子代表にお話をうかがいました。
話の中心は、ブラジル人・ペルー人たちの失業問題についてです。
リーマンショック以降、輸出産業の業績が軒並み落ち込む中、製紙など内需産業中心の富士市に、浜松・磐田・掛川などから、ブラジル人たちが移り住んできました。
しかし、富士市でも多くの工場で生産調整が行われています。工場のラインでフルタイムで稼いできた男性労働者たちが、真っ先に解雇の対象になりました。夜勤や残業の必要がなくなり、パートタイム中心の雇用に工場側が切り替え始めたからです。
それとは逆に、弁当工場のパートタイムなど女性の雇用は比較的安定しており、失業する夫・外で稼ぐ妻という構図が、顕著になってきたようです。
冨田先生のお話を一時間ほどうかがってから、今度は、市議会議員の横井美由紀さん、山下いづみさんのお二人を交えて、富士市の多文化共生政策についてお話をうかがいました。
富士市の場合、全住民に占める外国籍住民の割合は2%に過ぎません。そのため市の施策として、外国人問題の優先順位がどうしても後にされてしまうという問題が、横井議員から指摘されました。
26万都市の2%ですから、絶対数としては無視できないものがあります。また、同じ外国人といっても、ブラジル人を始めとするいわゆる「ニューカマー」の比率が高いのが工業都市富士市の特徴です。日本語のネイティブスピーカーではない人々、特に子どもたちの教育の問題が重要になってくるということで、出席者の意見は一致しました。
続いて訪れたのは、沼津駅前にある東部県民生活センターのビル。
現在、就業支援に取り組む1階の求職者総合支援センターと2階のヤングジョブステーションの窓口には、ポルトガル語のできる職員さんが配置されています。
そして3階の東部パレットで開催されている「静岡県・就業促進出張日本語教室」にご案内をしました。
静岡県多文化共生室が、厳しい雇用情勢に対処すべく始めたこのプログラム。
沼津の教室では、日本人の講師とペルー人のアシスタントらが、就業のための実践的な日本語のトレーニングを行っています。
沼津には、原団地を中心にペルー人の比較的大きなコミュニティが形成されています。そのためこの教室の受講者もほとんどがペルーの方でした。
教室を視察後、再び富士市に戻り、今度は吉原商店街の状況を視察。
シャッター通りで元気に営業する外国系商店を見て回ってから、ブラジル料理を出してくれる「インターナショナルハウス」【吉原ランチマップ】でブラジル風ハンバーガーを堪能しました。
by pla-shizu
| 2010-01-15 13:03
| 活動報告